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中村 仁宣; Beddingfield, D. H.*; 中道 英男; 向 泰宣; 吉元 勝起
IAEA-CN-184/59 (Internet), 7 Pages, 2010/11
転換施設の中和沈殿プロセスで生成したスラッジ中のPu量の確定に関しては、試料が不均一かつ不純物が多いことから、代表サンプルの採取が難しく計量誤差が大きい。また均一化作業には多大な被ばくを伴う等改善へのハードルが高い。このため、不均一測定に適しているNDAによる直接測定結果に置き換え可能かどうかその適用性を評価した。スラッジ内では軽元素や不純物との(,n)反応によりノイズ成分である中性子が多く発生するため、自発核分裂に起因する中性子を選択的に測定することが困難である。今回は、転換施設にて製作したマルチプリシティ法で測定可能なNDA装置を利用した適用性調査を行った。調査においては、純粋なスラッジを調製し校正を行ったうえで、数種類の実スラッジを測定しその結果を評価した。この結果、測定環境を整備することで、計測のばらつきを十分低減でき、また軽元素によるバイアスがないことをAdd-a-source法で確認する手法を確立する等、適切な測定条件を確立することができた。比較的低コスト,低検出効率の測定機で測定環境や条件が確立できたことは、今後の測定に十分適用可能であり、施設の計量管理改善や、IAEAへの申告の信頼性向上に資することが期待できる。
宮地 紀子; 川上 幸男; 小泉 敦裕; 大辻 絢子*; 佐々木 敬一*
IAEA-CN-184/60 (Internet), 6 Pages, 2010/11
大型照射後試験施設(FMF)は高速実験炉「常陽」等から直接使用済燃料集合体を受入れ、解体し、照射後燃料等の挙動評価のための照射後試験を行う施設である。試験を終えた切断片,燃料ピン等は、「常陽」使用済燃料貯蔵プールへ再び払出している。このFMFに対して統合保障措置を適用して、原子力機構の「常陽」エリアにおける保障措置の強化をはかった。適用した統合保障措置の考え方は、「常陽」とその使用済燃料を使用するFMFを関連施設として、その受払いを検認するものである。受払い検認の実現にあたっては、FMFからの受払い経路,使用キャスクを限定することで、受払いを連続的に監視することを可能とし、より効果的な保障措置を実現した。またキャスク内容物検認には、中性子測定を導入した。中性子測定の導入にあたっては、中性子測定試験等により、その有効性を確認している。FMFへ受払い検認を新たに導入したことにより、「常陽」とFMF間の使用済燃料の流れが明確になり、保障措置の強化につながった。一方で統合保障措置移行により、検認のPDIが増加したが、施設側の検認活動に対する負荷は減少した。
鈴木 美寿; 和泉 圭紀; 木本 徹; 直井 洋介; 井上 猛; Hoffheins, B.
IAEA-CN-184/64 (Internet), 8 Pages, 2010/11
2008年のG8洞爺湖サミットにおいて我が国によって提案された3Sイニシアチブを支援するために、原子力機構では各々の3S分野の文化と研究開発計画の詳細な検討の実施、現在の3Sの現状と目標に対するギャップ分析、他の国内外関係機関と連携した貢献について検討している。我が国で培われたIAEA保障措置に対する経験や教訓が、より効果的・効率的な3Sシナジーを実現するためのインフラストラクチャー整備、設計段階から取り込む保障措置方法論検討に活かされる。本発表では、3S統合型リスクインフォームドアプローチを提案する。初期の検討として、安全分野の解析としてよく知られた、事象の生起確率と仮想被害解析手法が、核不拡散及びセキュリティリスクの固有な不確実性を予想・評価するために適用される。パフォーマンスベースの評価手法が、効果的・効率的な3S実施を追及するために提案される。
蜷川 純一; 長谷 竹晃; 浅野 隆; 藤原 茂雄
no journal, ,
プルトニウム燃料製造施設(PFPF)は、「常陽」,「もんじゅ」の燃料製造を通じ、MOX燃料製造技術開発及びその実証を行っている。PFPFは、燃料製造能力の向上及び大量のプルトニウム取扱いに伴う作業員の被ばくの低減のため、遠隔・自動の燃料製造システムを積極的に導入した。このため、保障措置の観点からは、査察時の核物質への接近が困難となるデメリットが生じることが予想された。そこで、日本原子力研究開発機構は、施設設計段階から自動化されたMOX燃料製造施設に合致した新たな保障措置概念を検討し、その結果をもとに新型保障措置システムを開発した。これにより、施設操業への影響を最小限に留め、保障措置の効率及び効果を向上させた。これらの取組みは、2008年8月よりPFPFを含むJNC-1サイトに適用された統合保障措置アプローチの開発に繋がった。本報告では、PFPFにおける"Safeguards by Design"の経験及びその効果について述べる。
久野 剛彦; 岡野 正紀; 舛井 健司; 鈴木 豊; 山田 敬二; 綿引 優; 檜山 敏明
no journal, ,
先進的な核物質検認に有効となる、ピューレックス再処理プロセスのリモート監視技術の開発として、運転管理パラメーターであるウラン,プルトニウム,酸の測定をインライン方式で行う2種類の分析技術、(1)微分パルスボルタンメトリーに音速度法又は導電率法を組合せたもの、(2)分光プローブ法、を東海再処理工場で試みた。両手法とも、小型のセンサーを直接溶液に浸漬させるだけで測定が可能であり、シンプルな装置構成・操作で分析を行える。微分パルスボルタンメトリーは、ウラン1200gL、プルトニウム120gLの範囲でピーク電流値と濃度に直線性が認められた。音速度法及び導電率法による酸分析は、それぞれ16M, 3M以下の範囲に対して適用可能であった。分光プローブ法によるウラン定量の適用範囲は、ボルタンメトリーと同等となった。なお、8gL以上のウランの吸収ピーク比は、0.2Mから5M酸濃度と相関関係を有しており、ウランの吸収ピーク比から酸濃度が求められる。これらインライン分析手法の精度は、相対標準偏差として5%程度であった。